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信託の歴史について(その2)

目次

1 はじめに

2 海外から日本へ

3 日本の信託制度の確立

4 戦時中

5 戦後

6 まとめ

 

1 はじめに

前回は、海外の信託の歴史をみてきましたが、今回は日本の信託制度の歴史についてみていきたいと思います。なお、本内容は、前回のブログからの続きとなりますので、同じ内容が出てこないようにしております。そのため、前回のブログをまだご覧になっていない方につきましては、あわせてそちらもご確認いただけますと幸いです。

 

2 海外から日本へ

日本の信託制度は、明治後半にアメリカで発展した制度が導入されてできたものといわれています。1900年(明治33年)に「信託」という言葉が初めて法律に登場しました。「地方債券、社債券及株券ニ関スル信託ノ業務」と記された日本興業銀行法が最初になります。担保附社債信託法が1905年(明治38年)に制定され、営業免許を受けた有力銀行が、担保付社債信託業務を行うようになりました。日本では、事業会社を対象とする信託制度が最初に導入されました。一方で、1906年(明治39年)に設立された東京信託株式会社が個人の財産の管理・運用を専門に取り扱う信託会社だといわれています。

 

3 日本の信託制度の確立

日本では、信託会社が数多く設立され、1921年(大正10年)末には488社を数えるまで信託会社が設立されました。しかし、当時は信託に関する概念も、法整備もされていなかったために、資力や信用力が十分でない信託会社も少なくありませんでした。そのため、1922年(大正11年)に「信託法」と「信託業法」が信託の概念を明確化し、信託制度の健全な発展を図るために制定されました。これらの法律により日本の信託制度は確立され、発展期を迎えました。

 

4 戦時中

第二次世界大戦下においては、金融機関や信託会社の統合が進められました。「普通銀行等ノ貯蓄銀行業務又ハ信託業務ノ兼営等ニ関スル法律(現在の兼営法)」が1943年(昭和18年)に制定されました。その後、信託会社の統合が進み、専業の信託会社は戦争が終わるころには7社程になりました。

 

5 戦後

戦後、政府およびGHQ(連合軍総司令部)の方針により、信託会社が1948年(昭和23年)に「銀行法」により銀行に転換しました。兼営法により、信託業務を兼営する信託銀行となったのです。戦後の経済復興のために長期の資金の安定供給が必要になり、1952年(昭和27年)に「貸付信託法」が1952年(昭和27年)に制定されました。貸付信託の取扱いが信託銀行により始められました。貸付信託は、戦後、産業界への長期資金の供給源として大きな役割を果たす一方で、広く国民から比較的高利の安定した長期の貯蓄手段として、受け入れられるようになり、現在に至っています。

 

6 まとめ

今回は、日本の信託制度の歴史についてみてきました。信託制度は今でも法改正がされています。信託に関する内容を今後も色々とみていきますが、信託制度はとても複雑で日本においても未だ発展途中であることから、信託を利用するにあたっては各種専門家にお願いすることが安全であると思われます。

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