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信託財産とは1(総論)

目次

1 はじめに

2 信託できる財産の要件その1(総論)

3 信託できる財産の要件その2(金銭への換算可能性・積極財産制について)

4 信託できる財産の要件その3(移転ないし処分の可能性・存在可能性・特定可能性について)

5 まとめ

 

1 はじめに

今回は信託できる財産の要件について解説させていただきたいと思います。なお、次回は信託財産の具体例について解説する予定ですので、次回のブログもご覧になっていただけますと幸いです。

 

2 信託できる財産の要件その1(総論)

「信託財産」とは、受託者に属する財産であって、信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいいます(信託法2条3項)。現行法において、信託財産にすることができる財産の範囲を制限する規定はありません。しかし、①金銭への換算可能性②積極財産性③移転ないし処分の可能性④存在可能性・特定可能性の4つの要件が信託財産となるために必要と解されています。

 

3 信託できる財産の要件その2(金銭への換算可能性・積極財産性について)

信託財産として設定する場合は対象となる物の価値を金銭に見積もることができることが必要です(金銭への換算可能性)。不動産・動産・現金・債権・株式・有価証券・知的財産権等の多くは価値を金銭に見積もることができるため金銭への換算可能性の要件を満たします。しかし、身分権、人格権等は金銭に見積もることができないため信託財産にできません。

積極財産性につきましては通説的な見解として信託の対象財産は積極財産に限られ債務等の消極財産は対象にすることができないとされています。

 

4 信託できる財産の要件その3(移転ないし処分の可能性・存在可能性・特定可能性について)

信託財産として設定する財産は移転もしくはその他の処分を通じ委託者の財産権から分離可能であることが必要です(移転ないし処分の可能性)。具体的には年金受給権・譲渡禁止特約が付された債権は原則として信託財産とすることができないとされています。

信託財産として設定する財産は存在可能性・特定可能性が必要です。つまり信託設定時には存在・特定していない財産でも将来に存在・特定されることが見込まれる場合は信託財産として設定が可能であると解されています。

 

5 まとめ

今回は、信託できる財産の総論に関する概要を解説させていただきました。信託の設定にあたっては、専門的な知識が必要なため、各種専門家にお願いすることが安全であると思われます。

 

司法書士法人やなぎ総合法務事務所では、家族信託に関するご相談や、ご依頼を数多く扱っており、実務においても、家族信託に経験豊富な司法書士、弁護士、行政書士、税理士、土地家屋調査士、相続診断士、CFP 等の専門家がご依頼の内容に全力で取り組みます。

 

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