目次
1 はじめに
2 違法な信託目的
3 脱法信託
4 訴訟信託
5 詐害信託
6 まとめ
1 はじめに
今回は違法な信託目的をみていきたいと思います。なお、本内容は、前回のブログからの続きとなりますので、同じ内容が出てこないようにしております。そのため、前回のブログをまだご覧になっていない方につきましては、あわせてそちらもご確認いただけますと幸いです。
2 違法な信託目的
法律では脱法信託、訴訟信託、詐害信託の3つの信託が禁止されています。以下では各違法な信託目的についてその内容をみていきたいと思います。
3 脱法信託
1つ目は脱法信託です。脱法信託とは法律によれば「法令によりある財産権を享有することができない者は、その権利を有するのと同一の利益を受益者として享受することができない」とされています。例えば鉱業法17条では「日本国民又は日本国法人でなければ、鉱業権者となることができない」とされています。鉱業権を信託し、受益者を外国人にすることで、外国人が鉱業権を得ているのと同様の利益を得ることになるからです。
4 訴訟信託
2つ目は訴訟信託です。訴訟信託とは法律によれば「訴訟行為をさせることを主たる目的としてすること」はできないとされています。例えば不動産の所有権を受託者(第三者)に移転して信託し自分を受益者とすることで受託者は不動産の所有者として不動産に関する訴訟ができることになるからです。
5 詐害信託
3つ目は詐害信託です。詐害信託とは「委託者がその債権者を害することを知って信託」することです。信託が設定されると委託者の責任財産でなくなるため委託者の債権者は強制執行ができなくなることを利用して悪用されるのを防ぐ必要があります。なお詐害信託は法律によれば「受託者が債権者を害することを知っていたか否かにかかわらず、債権者は、受託者を被告として、民法に規定する詐害行為取消請求をすること」ができるとされています。
6 まとめ
今回は、違法な信託目的に関する概要をみてきました。違法な信託目的とならないような信託契約等の作成を行うにあたっては、専門的な知識が必要なため、各種専門家にお願いすることが安全であると思われます。
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