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「家族信託の手続きはどうやってやるの?」家族信託の手続きの流れを簡単に解説!

「家族信託を利用したいが難しくてよくわからない」、「手続きの流れがわからない」というお悩みを持たれる方もおられると思います。今回は家族信託の手続きの流れを説明していきます。家族信託の手続きの流れについて知りたい方は本ブログを見て参考にしていただけると幸いです。

目次
1 契約書の作成
1-1 家族で相談
1-2 契約書の作成
2 公証役場での手続きと信託口座の作成
2-1 公証役場での手続き
2-2 信託口座の作成
3 法務局での手続き
4 まとめ

1 契約書の作成

家族信託の手続において重要なのは契約書の作成です。不正確な契約書を作成すると無効になる、トラブルになる等の問題が発生する可能性があります。そのため、専門家に相談する等の慎重な対応が求められます。以下では契約書の作成の流れについて説明します。

1-1 家族で相談

家族信託でまずしていただくことは、家族間の話し合いです。委託者や受託者など信託に関係する人を含んだ家族全員で話し合って、家族信託の目的を決めましょう。最初に目的をきちんと決めておけば、その後の手続きで揉めることを防げます。

家族信託の目的としてよくあげられるものとして、認知症の備えとしての家族信託、財産の行方を決めるための家族信託、障害のある子どもの生活を支えるための家族信託などがあります。家族の事情により目的は様々ですが、重要なことは、委託者と受託者になる予定の人だけですべてを決めてしまわないことです。

信託の当事者ではない他の家族の意見を聞かないままに家族信託を進めてしまうと、後になって不満が生じ、トラブルに発展する場合があります。信託当事者以外の家族の意見を聞くことは、最も長く時間をかけるくらいの気持ちで慎重に行うべきです。

信託はとても専門性の高いものとなるため、自分たちで話し合いをして決めると言っても何を定めたら良いのかわからないことも多いかと思います。そのため、専門家に相談している場合は、専門家も一緒になって信託契約の内容を検討するのが良いでしょう。

1-2 契約書の作成

話し合いで決めた内容に基づいて、信託契約書を作成します。契約書の内容については、可能なかぎり具体的な表現を用いてあいまいな表現は避け、解釈の余地を残さないようにしましょう。後からトラブルに発展して、財産管理の邪魔になるおそれがあります。

司法書士や弁護士、税理士などの専門家に、登記は可能か、税務上問題がないか、などについて確認しておくと良いでしょう。疑問のある点については専門家に相談して、漏れのない信託契約書を作成しましょう。

信託契約書は必ず公正証書で作成する必要はありませんが、多くの信託銀行等では信託専用の口座を作成する際に公正証書で信託契約書を作成することを求められます。そのため信託契約書は公正証書で作成することが必要となります。

2 公証役場での手続きと信託口座の作成

前述のとおり、信託契約書は必ず公正証書で作成する必要はありません。しかし、信託銀行での信託口口座の作成や後日紛争防止のため公正証書で作成することをお勧めします。以下では公証役場での手続きと信託口座の作成の手続きについて説明します。

2-1 公証役場での手続きと信託口座の作成

公証役場で信託契約書を公正証書にする際には以下の書類等が必要となりますので、公証役場へ行くまでに用意が必要となります。代表例として、委託者兼受益者とする場合の家族信託で必要な書類を説明していきます。

・本人確認資料
(運転免許証やマイナンバーカードなどの、公的機関から発行された書類)
・受託者と受益者の印鑑証明書
(発行から3カ月以内のもの)
・受託者と受益者の実印
・信託する財産に関する資料
(不動産を家族信託の対象にする場合、不動産の「登記事項証明書(登記事項証明書)」、さらに、不動産の価格を証明するための、「固定資産税評価証明書」や「固定資産税課税明細書」が必要となります。)
・戸籍
(親子などの家族関係が確認できる戸籍謄抄本)

公証役場へ出向く前に、公証人との打ち合わせが必要となります。具体的には信託契約書の案及び各種資料を作成し、事前に公証役場に提示することになります。
信託契約書案について打ち合わせの上、最終原案が決定すると、調印日時を決めて公証役場にて本人の意思確認と信託契約書に押印をします。その際、上記の書類の提出と、公正証書の作成費用が必要となります。

2-2 信託口口座の作成

信託銀行等で信託口口座を作成する場合、信託契約の内容や信託金銭の金額などについて審査があるものが多くなります。審査がある場合は無事に審査を経なければ信託口口座を作成することができません。そのため、信託口口座の開設を希望する場合は、公証役場との打ち合わせに先立ち信託銀行の審査を通過しておく方が良いでしょう。詳しくは信託銀行へ確認してみましょう。しかし、銀行側では専門家を介さない個人からの信託口口座開設のための審査を一律に断っているところも多いため、信託口口座の開設・利用を前提とする場合は専門家にご相談される方が良いでしょう。

3 法務局での手続き

信託財産に土地や建物などの不動産がある場合は登記の申請が必要です。具体的には、不動産の名義を委託者から受託者に変更する登記を申請します。登記を申請すると、名義が変わるのと同時に「信託目録」が作成され、登記事項証明書に信託の内容が記録されます。

登記手続には以下の書類が必要となります。場合によっては追加で必要となる書類もあります。

・委託者の印鑑証明書
(発行から3カ月以内)
・委託者の実印
・登記済権利証または登記識別情報
(委託者が不動産を取得した際に発行されたもの)
・受託者の住民票
・受託者の認印
・委託者と受託者の本人確認資料
(運転免許証やマイナンバーカードなどの、公的機関から発行された書類)

発行された登記識別情報(登記済権利証)を紛失していた場合、再発行はされませんが、司法書士などの専門家に依頼すれば、追加の書類を作成してもらったり、また別の手続きにより、信託の登記を申請することができます。登記識別情報(登記済証)を紛失したことに気付いたら、まずは専門家に相談してみて下さい。

4 まとめ

以上が「家族信託の手続きはどうやってやるの?」についてのお話でした。ここまでのお話を以下にまとめています。

「契約書の作成」
家族信託でまずすべきことは、委託者や受託者など信託に関係する人を含んだ家族全員での話し合い。
認知症の備えとしての家族信託、財産の行方を決めるための家族信託、障害のある子どもの生活を支えるための家族信託など、家族信託の目的を決める。
信託契約書の作成においては、可能なかぎり具体的な表現を用いてあいまいな表現は避け、解釈の余地を残さないようにする。
登記は可能か、税務上問題がないか確認するため、司法書士や弁護士、税理士などの専門家に確認しておく。
信託契約書は公正証書で作成する方が望ましい。

「公証役場での手続きと信託口座の作成」
公証役場で信託契約書を公正証書にする際に必要なものは、本人確認資料、受託者と受益者の印鑑証明書、受託者と受益者の実印、信託する財産に関する資料、戸籍謄本等、公正証書の作成費用。
事前打ち合わせの後に公証役場へ行き、当事者の意思確認と信託契約書への署名捺印をする。
信託銀行等で信託口口座を作成する場合、審査を通過しなければ信託口口座を作成することができません。そのため、信託銀行等にて信託口口座の開設を希望する場合は、公証役場での打ち合わせの前に信託銀行等の審査を終わらせておく必要がある。審査は専門家を介してでないと受け付けてくれない銀行も多いため注意。

「法務局での手続き」
信託財産に土地や建物などの不動産がある場合は登記の申請が必要。
登記手続きに必要な書類は、委託者の印鑑証明書、委託者の実印、登記済権利証または登記識別情報、受託者の住民票、受託者の認印。委託者と受託者の本人確認資料。
発行された登記識別情報(登記済権利証)を紛失していても、司法書士などの専門家に依頼すれば、比較的スムーズに信託の登記を申請することができる。

司法書士法人やなぎ総合法務事務所では、大阪(阿倍野区・阿倍野、天王寺)、東京(渋谷区・恵比寿、広尾)事務所にて「無料相談・出張相談」も受け付けております。どんな些細なご相談も親身になり耳を傾け、どのようなご依頼でもお客様のご希望、目的に近づけるよう励みます。お気軽にご相談、お問い合わせください。

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この記事の監修者

代表社員  柳本 良太(やなぎもと りょうた)

柳本 良太

「法律のトラブルで困っている人を助けることができる人間になりたい」という思いから18歳の時に一念発起し、2004年に宅地取引主任者試験に合格。続いて、2009年に貸金業務取扱主任者試験、司法書士試験に合格し、翌2010年に行政書士試験に合格。2010年に独立開業し、「やなぎ司法書士行政書士事務所(現:司法書士法人やなぎ総合法務事務所)」を設立し、代表社員・司法書士として「困っている人を助ける」ことに邁進する一方で、大手資格予備校講師として多くの合格者も輩出。

その後、行政書士法人やなぎKAJIグループ(現:行政書士法人やなぎグループ)を設立、桜ことのは日本語学院の開校などより広くの人のための展開を行いながら活躍中。

モットーは「顧客満足ファースト」と「すべてはお客様の喜びのために」。

<保有資格>

・宅地取引主任者(2004年取得)

・貸金業務取扱主任者(20009年取得)

・司法書士(2009年取得)

・行政書士(2010年取得)

<所属法人>

司法書士法人やなぎ総合法務事務所 代表社員

行政書士法人やなぎグループ 代表社員

やなぎコンサルティングオフィス株式会社 代表取締役

桜ことのは日本語学院 代表理事

LEC東京リーガルマインド資格学校 元専任講師

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