目次
1 日常生活の中で成年後見人をつけるタイミング
2 不動産を処分することになったら
1.生活費・医療費を本人の口座から出金したい場合
2.施設に入所したい場合
3 相続人の判断能力が不十分になってしまった場合
4 「詐欺」「第三者の使い込み」から守るために大事なこと
5 成年後見人をつけるまでにかかる時間
6 まとめ
1 日常生活の中で成年後見人をつけるタイミング
1. 生活費・医療費を本人の口座から出金したい場合
認知症など判断能力が不十分になった場合、銀行等の金融機関は口座の利用を制限します。具体的には出金や預金の解約ができなくなるということです。
このような状況になると生活費や医療費が必要になっても口座から出金できないことになります。
つまり、本人の年金や預貯金が多くあったとしても、本人の生活費や医療費などを家族が負担することになります。
医師の診断等により判断能力が不十分な状態が長く続くことが判明したときは成年後見人をつけるべきと考えられます。
2. 施設に入所したい場合
介護施設や高齢者施設への入所・入院の手続きは本人がしなければいけません。
しかし、本人の判断能力が不十分になった場合入所・入院の手続きをすることができません。
つまり、本人の介護をできる人がいない場合に、施設の入所を希望したとしても、成年後見人を選任しない限り介護施設や高齢者施設への入所ができないことになります。介護施設や高齢者施設への入所を希望する場合は成年後見人をつけるべきと考えられます。
2 不動産を処分することになったら
例えば、判断能力が不十分になった方を家族が介護するようになり、家族と同居するようになったとします。この場合、判断能力が不十分になった方が住んでいた家が空き家になると売却したいと考える方がおられると思います。
しかし、不動産を売却する場合、不動産の名義人である本人が手続きをする必要がありますが、判断能力が不十分になった方は本人が手続きをすることができません。
判断能力が不十分になった方が住んでいた家を売却したい場合は成年後見人をつけるべきと考えられます。
なお、判断能力が不十分になった方が住んでいた家を売却する場合、家庭裁判所の許可が必要となるので注意が必要です。
3 相続人の判断能力が不十分になってしまった場合
通常、相続が発生した場合、相続人が亡くなった方の財産をどのように分けるか話し合う遺産分割協議を行い、その結果を記載した遺産分割協議に署名・押印をします。
しかし、相続人の判断能力が不十分な場合は遺産分割協議をすることもできません。判断能力が不十分になった方が相続人になった場合は成年後見人をつけるべきと考えられます。
4 「詐欺」「第三者の使い込み」から守るために大事なこと
判断能力が不十分になった方は詐欺等の被害にあったり、他の家族が勝手に財産を使い込んだ場合に気付かなかったりする等自身の財産を守ることが難しくなったりします。成年後見人をつけると必要のない契約をしてしまった場合、成年後見人が契約を取り消すことができます(日用品の購入その他日常生活に関する行為は除きます)。
また他の家族が勝手に財産を使い込みも抑止することができます。
5 成年後見人をつけるまでにかかる時間
裁判所のホームページ(https://www.courts.go.jp/nagoya-f/saiban/tetuzuki/qa/index.html)で成年後見人をつけるまでにかかる時間について「調査、鑑定等をする必要のない事案で1、2か月ほどかかります(事案の内容、本人の判断能力等によって、審理期間は大きく変わりますので、あくまで目安です。)。」と回答しています。
上記の期間は裁判所の回答にあるようにあくまで目安であり、また成年後見人の申立ては必要書類をそろえる必要もあるため、多くの時間を要します。つまり、「今、成年後見人が必要になった」と感じてもすぐに成年後見人がすぐにつくわけではないので注意が必要です。
6 まとめ
今回は、成年後見人をつけるタイミングについて解説させていただきました。後見・信託にあたっては、専門的な知識が必要なため、各種専門家にお願いすることが安全であると思われます。
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