今回は信託の終了(清算手続き)について解説させていただきたいと思います。今回は信託の終了の手続について解説します。
目次
1 清算手続きの内容
2 現務の結了と信託財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務の弁済
3 受益債権に係る債務の弁済と残余財産の給付
4 まとめ
1 清算手続きの内容
信託が終了した時以後の受託者(以下「清算受託者」といいます。)は、下記の職務を行います。
- 現務の結了
- 信託財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務の弁済
- 受益債権(残余財産の給付を内容とするものを除く。)に係る債務の弁済
- 残余財産の給付
以下では①~④について解説します。
2 現務の結了と信託財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務の弁済
現務の結了とは未了の信託事務を終わらせることです。具体的には信託の終了時点での取引行為を解除することや新しい取引の停止などです。
信託財産に属する債権の取立ては具体的には信託財産である建物を貸している場合の賃料の回収です。信託債権に係る債務の弁済は具体的には信託事務処理のための物品を購入した代金の支払いです。なお、清算受託者は条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済する場合はこれらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければなりません。その後清算受託者は、鑑定人の評価に従い債権に係る債務を弁済します。
3 受益債権に係る債務の弁済と残余財産の給付
清算受託者は残余財産の給付を内容とするものを除いた受益債権を受益者に弁済し、残余財産を受けるべき者に給付します。なお残余財産は原則として信託財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務と受益債権(残余財産の給付を内容とするものを除く。)に係る債務を弁済した後でなければ給付することができませんが例外もあります。残余財産がどのように帰属するかは次回のブログで解説する予定ですので、次回のブログもご覧になっていただけますと幸いです。
4 まとめ
今回は、信託の終了信託の終了(清算手続き)に関する概要を解説させていただきました。信託にあたっては、専門的な知識が必要なため、各種専門家にお願いすることが安全であると思われます。
司法書士法人やなぎ総合法務事務所では、家族信託に関するご相談や、ご依頼を数多く扱っており、実務においても、家族信託に経験豊富な司法書士、弁護士、行政書士、税理士、土地家屋調査士、相続診断士、CFP 等の専門家がご依頼の内容に全力で取り組みます。
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