友だち追加

信託の分割

今回は信託の分割について解説させていただきたいと思います。信託契約時の状況と現在の状況とが変わった場合、信託行為の変更をすることが必要になることがあります。今回解説する信託の分割は信託の変更方法の1つです。

 

目次

1 信託の分割とは

2 信託の分割方法

3 債権者の異議

4 まとめ

 

1 信託の分割とは

法律によれば信託の分割は吸収信託分割と新規信託分割を総称したものです。吸収信託分割は、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託の信託財産として移転することをいいます。新規信託分割は、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転することをいいます。

 

2 信託の併合方法

信託の分割は、原則として従前の各信託の委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができます。この場合には、以下の事項を明らかにしてしなければなりません。

①信託の分割後の信託行為の内容

②信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由

③信託の分割に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額

④信託の分割がその効力を生ずる日

⑤移転する財産の内容

⑥吸収信託分割によりその信託財産の一部を他の信託に移転する信託(以下「分割信託」という。)の信託財産責任負担債務でなくなり、分割信託からその信託財産の一部の移転を受ける信託(以下「承継信託」という。)の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項

⑦新規信託分割により従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新たな信託の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項

⑧その他法務省令で定める事項

信託の分割は受託者及び受益者の合意によってすることが原則ですが、信託の目的に反しないことが明らかであるときは受託者及び受益者の合意、信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるときは受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示で信託の分割をすることが可能です。なお、この場合委託者又は委託者及び受益者に対し通知が必要になるので注意が必要です。また、信託行為で別段の定めをすれば、上記の三者以外(例えば、委託者と受託者の二者など)で分割の合意をすることができる場合もあります。

 

3 債権者の異議

信託の分割をする場合、従前の信託の債権者は、受託者に対し、信託の併合について異議を述べることができます。ただし、信託の分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、異議を述べることができません。債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合は、受託者は、①信託の分割をする旨②債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨③その他法務省令で定める事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければなりません。

 

4 まとめ

今回は、信託の分割に関する概要を解説させていただきました。信託にあたっては、専門的な知識が必要なため、各種専門家にお願いすることが安全であると思われます。

 

司法書士法人やなぎ総合法務事務所では、家族信託に関するご相談や、ご依頼を数多く扱っており、実務においても、家族信託に経験豊富な司法書士、弁護士、行政書士、税理士、土地家屋調査士、相続診断士、CFP 等の専門家がご依頼の内容に全力で取り組みます。

 

また、弊所では大阪(阿倍野区・天王寺)、東京(渋谷区・恵比寿・広尾)事務所にて「無料相談・出張相談」も受け付けております。どんな些細なご相談も親身になり耳を傾け、どのようなご依頼でもお客様のご希望、目的に近づけるよう励みます。お気軽にご相談、お問い合わせください。

 

「よくあるご質問」相続、家族信託、民事信託、生前贈与、認知症対策、遺言書作成、遺産分割、相続放棄、不動産登記、名義変更、不動産の売却、資産運用、等数多くの書類作成、申請などをおこなっております。

公式サイト
所在地
  • 大阪市阿倍野区阿倍野筋3-10-1 あべのベルタ 3009号
  • 東京都渋谷区東3-6-18 プライムハウス 203号
問い合わせ
事務所情報
  • 受付時間 9:00 ~ 20:00
  • 土日祝日:10:00~18:00
  • 電話予約により時間外対応可能