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信託の具体例5(不動産活用)

今回は具体的事例を交えて解説いただきたいと思います。今回はマンションを経営していくことが不安になったので、子に任せる場合です。マンションを経営していくことが不安になったので、子どもに任せたい方等はご覧になっていただけると幸いです。

 

目次

1 具体事例

2 信託を利用した場合の信託契約の内容

3 上記の内容になる理由

4 まとめ

 

1 具体事例

Xは、所有するマンションの賃貸業を営んでいます。Xはマンションが老朽化してきたので建替えをしようと考えています。ところが、Xは高齢になったため、建替え計画や銀行との交渉などをする自身がありません。そこでXはこれを機会にマンション経営をXの子Aに任せようと考えています。また、XにはAの他にBという子がいますが、Xの死亡後にAとBの共有状態にしたくはありませんが、他の金融資産があまりありません。

 

2 信託を利用した場合の信託契約の内容

信託を利用する場合以下の方法でXの希望が叶えられると考えられます。信託の目的は賃貸マンションを適切に経営し、受益者に利益をもたらすとともに、次世代に承継すること、委託者をX、受託者をA、第一次受益者をX、第二次受益者をAとB、信託財産を既存マンションとその敷地(建替え後は新築のマンション)、帰属権利者等をA又はその相続人、信託事務の内容を既存マンションの経営・建替えに必要な一切の行為、そのための銀行からの借入れ及び当該借入れを被担保債権とした信託財産への抵当権設定、受益権の内容を賃貸マンションの賃料から、管理費・修繕積立金・借入金等の一切の費用を支払った残金を定期的に受領する内容、信託期間を信託開始から30年後終了するというものです。

 

3 上記の内容になる理由

上記の内容にすることでAが現在の居住者から賃料を得たり、立ち退き交渉を行ったり、新規入居者と賃貸借契約を締結することができます。Aが契約の当事者となる場合は信託事務遂行のためでも、この場合、信託財産責任負担債務に関する条項を信託契約書内で整備し、かつ関係者から承諾を得ることによって各種債権をAの債務とすることが可能となります。なお、この場合法律は「受託者は、信託事務を処理するのに必要と認められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息(以下「費用等」という。)の償還を受けることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。」としています。つまり、信託財産に求償することができます。

Xの希望として共有状態を避けたいとありますが、これは共有になることによりマンション経営の経営方針が定まらず経営が不効率となること、共有者に相続が発生することにより持分が細分化され問題が複雑になることを避ける意図であると考えられます。しかし一方で賃貸マンションが主な資産であるためBの遺留分が問題となってきます。そこで上記の問題を解決するためXの死後は受益者をAとBにすることで遺留分の問題を解消し、帰属権利者等をA又はその相続人することで共有状態を避けることができると考えられます。

 

4 まとめ

今回は、マンションを経営していくことが不安になったので、子に任せる場合について解説させていただきました。信託にあたっては、専門的な知識が必要なため、各種専門家にお願いすることが安全であると思われます。

 

司法書士法人やなぎ総合法務事務所では、家族信託に関するご相談や、ご依頼を数多く扱っており、実務においても、家族信託に経験豊富な司法書士、弁護士、行政書士、税理士、土地家屋調査士、相続診断士、CFP 等の専門家がご依頼の内容に全力で取り組みます。

 

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